「アドリブっていったい何を言ったらいいの!」
「そんな突然台本に書いてないことしゃべれない!」
など、困っている方もいるのではないでしょうか?
アドリブといっても様々ありますし、そんなに構える必要はありません。
知らないと怖いと思ってしまう部分もあるかと思うので、今回はアドリブについてふれてみたいと思います。
現役声優の方に、現場でよくあるアドリブについて詳しくお話を聞いたので、その内容をまとめました。

Contents
アドリブって何?
「アドリブ」という言葉は誰もがきいたことがあると思います。
では、そもそもアドリブとはどんなことを指すのでしょうか?
アドリブとは、主に音楽や演劇・放送などで用いられ、予め決められた進行や脚本から突発的に逸脱することをいいます。
「アドリブ」の語源は、ラテン語の「アド・リビトゥム」(Ad libitum)の略称で、もともとは「お好きなように」といった意味でした。
音楽では、即興演奏を意味することもありますが、「このパートは入れなくてもいい」とか「テンポは自由にしていい」とかを指示する時にも用いらます。
また、演劇・放送などでは、脚本に書いてあることと違う演技や進行を行うことを表すほか、役者が全て即興で演じる「即興劇」「アドリブ劇」もあります。
声優業界のアドリブの種類
まず「アドリブ」にはどのような種類のものがあるのか紹介していきます。
- ガヤ
- 「・・・。」や「!!」などの息づかい
- 「AD」と台本に書いてあるもの
どこまでをアドリブのカテゴリに入れるのかによって変わりますが、主に上記のようなものがアドリブです。
ガヤ
「ガヤ」というのは例えば
- 学校内のシーンで生徒たちがガヤガヤ話している声
- 戦場などのシーンで兵士達の「ウォー!」や「ハァーッ!」などと飛びかかっていったり「ギャー」や「グハーッ!」などとやられたりする声、「ヒーッ!」と逃げるような人の声
- 街中のシーンで、カップルがヒソヒソ話している声やお母さんが子供を叱っている声
- 群衆の「ワーッ」という歓声
などのような、メインの声とは別の声や音のことです。
これは台本にセリフが書いてあるわけではなく、その場で思いついたことを近くにいる人と相談して演じたり、そのシーンに合うようなことを自分で考えて適当にしゃべることが多いです。
本当にみんな適当なことをしゃべっていますし、笑っちゃうような声や音を入れる人もいるので、ブースの向こうから「○○さん何言っちゃってるんですか(笑)」と突っ込まれていることも。
途中で抜ける声優さんが多いときは先に録ってしまうこともありますが、だいたいガヤは収録やパートの最後に録ります。
スタジオの中でガヤに参加する人が立ち上がって(シーンによっては女性が前、男性が前などと指定されることもあり)、好きな場所で思い思いにやっていて、何度も録って重ねるときは場所をチェンジすることもあります。
ガヤは「アドリブができないから難しい」とかそういうことはありません。わりとみなさん気楽な感じで楽しくやっていますよ。
配役されていない「通りすがりのようなキャラ」が絵で口パクをしていた場合は、現場で「このパクパクしてるの誰かやってください。」と突然言われることがあります。
これもアドリブでやるので、Vチェックの時に考えておくのもいいですね。
「誰かやってください。」と言われたときは、率先して「やります」と言ったほうがいいかなと思います。
「Vチェック」とは?
あらかじめ渡される映像、もしくは収録の前に映像を見ながらセリフのタイミングなどをチェックすること。
ちなみにガヤは基本的には全員参加です(シチュエーションによって性別でくくりがある場合あり)。
必要なガヤのシチュエーションに対して人数が多すぎる場合は、適当に半分くらいに分けてやりますが、逆に必要なガヤに対して人数が少ない場合は複数回やって編集で重ねます。

「・・・。」や「!!」などの息づかい
これをアドリブに入れて良いのかわかりませんが、言葉にできない息づかいがあります。
思わず出てしまうような声・息づかいを日ごろから研究しておき、その場にふさわしいリアクションをします。
いろいろなパターンができたら自分自身も楽なので、他の声優さんがやっているのを研究して自分の中の引き出しにしておくのがおすすめ。
役になりきって、自然と役に合ったリアクションが出てくるようになれば一番良いです。
「AD」と台本に書いてあるもの
ADはアドリブの略です。
台本は上の段にコマの説明・映像の動きが書いてあり、下の段にセリフが書かれているのですが、そのセリフの欄に「AD」と書かれています。
ちなみに「SE」と書かれているのは「サウンドエフェクト」の略で効果音のこと。
収録の現場ではアドリブが必須
「ガヤ」はアニメや洋画などのお仕事なら毎回ありますが、アドリブでセリフを求められることはそんなにないです。
自分の演じるキャラが、アドリブを期待されているようなキャラであれば別ですが…。
「・・・・・」や、「!!」などのように、「声にならない息づかい」が必要となる場面はかなりありますし、台本上に「AD」と記載して、あらかじめアドリブを指定されることも時々あります。
声優というお仕事を続けていくのなら、アドリブへの対応力は身に着けておくべき技術のひとつと言えますね。
コメディーなどではアドリブをバンバン入れていく人がいて、周りの人が声を出して笑ってしまい録り直しになることもありますし、予想だにしないアドリブのセリフが後に名セリフになることもあります。

アドリブが苦手でも大丈夫!
おそらくアドリブは、得意・不得意が分かれます。
アドリブが得意な方は、持って生まれた性格的なもの、慣れ、あとは舞台での経験などによって培われたものが大きいですね。
なかには、「なんでそんなことを思いつくんだ」っていうくらい絶妙なアドリブが次々と飛び出してくるような人もいますが、アドリブが苦手でもそこまで気にやむ必要はありません。
心配ならVチェックや台本チェックの時に、「ここに誰にもふられていないキャラに口パクがあるから、ふられたときのために(または自分が率先して立候補するために)考えていこう」とか「ここにADと書いてあるからこれを言おう」などとあらかじめ準備しておけばいいのです。
ガヤは経験を積めば自然と慣れていきますし、そもそも現場に出るほどの能力を持っている人であれば、そこまで「アドリブができなくて困る」と思い悩む人はいないでしょうし、お目にかかったこともありません。
先輩声優たちのアドリブ体験談
先輩の声優さんたちがアドリブについて思っていること、体験談などを調べてみました。
「千葉さんアドリブよく言いますよね」と言われるんですけど、アドリブっていうのは言葉遊びじゃないわけじゃないですか。
やはりそのキャラクターだったら、この状況に置かれたらこんな思いだろ、と。例えば、あるキャラクターが出てきてすぐに殺されたとしても、殺されるにしても殺されに来てるわけじゃないわけですよね。
やっぱりその背景には、親がいたり奥さんがいたり子どもがいたりいろんな背景を持った人がそこで命を絶つわけだから、そこで何か言うだろうと。きっと。みたいなことを考えながら、いわゆるアドリブっていうものを言ってたんですよね。
ただただ、目立つためにとか、言葉あそびで何かものを入れるっていうんじゃなくって、瞬発的に出てくる言葉として。
だからテストで言った時のアドリブと、本番で言った時のアドリブが違うわけですよね。もうマインドが変わっちゃってるんで。鮮度が薄れてるわけですよね。
(千葉繁さんインタビューより)
出典:ネット調査
声優のアドリブについて【まとめ】
要点まとめ
- アドリブには、ガヤ、声のない息づかい、あらかじめ台本に指定してあるものなどがある
- 声優にアドリブ技術は必須なので、身に着けておけば必ず役に立つ
アドリブは得意・不得意はあるにしろ、経験を積めば慣れるもの。
ただ、上手くなりたいのなら「先輩声優さんの技術を盗む」くらいの気持ちで研究することが大切です。


おすすめの声優養成学校・スクール
声優さんたちの口コミにも出てきましたが、学校でアドリブの入れ方をまなぶこともできます。
なによりも、声優への近道は声優養成学校やスクールで学ぶこと。
そこで、当サイトでおすすめの声優養成学校・スクールを最後に紹介しましょう。
総合学園ヒューマンアカデミー
ヒューマンアカデミーは専門分野を学び就職・デビューを目指す学校です。
その特徴は、プロダクションとの連携に力を入れていることで、プロダクションの代表や現役声優を講師に招くだけでなく、希望する学生全員がオーディションに参加することが可能です。
その回数は350回以上。1年間にほぼ毎日オーディションチャンスがある学校は他にないでしょう。
ただ、難点は学費の高さで、全日制は、1年間で100万円以上かかります。
学費ローンを組むことができますが、自力での返済はかなり厳しい額といえますが、それだけの価値があるという口コミが多いです。
【ジャンル】声優スクール
【場所】全国に16箇所(札幌、仙台、柏校、大宮、新宿、横浜、静岡、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、北九州、福岡、鹿児島、那覇)
【期間: 声優専攻2年間
【費用】 約105万円 (※入学金、1年次学費の合計。別途、施設・教材・実習・諸費用が必要)
※料金については公式サイトから資料請求してご確認ください
【提携プロダクション】 マック・ミック、原オフィス、アトミックモンキー、プロースト!、スリートゥリー、トライストーン等
\資料請求は無料/
日本ナレーション演技研究所(日ナレ)
「日ナレ」はアイムエンタープライズなどが受け皿となっているので、自信をもっておすすめできる養成所です。
6つのプロダクションにはそれぞれ個性がありますが、メインのアイムエンタープライズや、最近力を持ってきたヴィムスなどで考えると、アイドル声優になりたい人や個性の強い人、マルチに活躍したい人向きだと言えます。
気になる点は、所属オーディションがかなり難関であることで、おそらく他の養成所の比ではないと思います。
日ナレは養成期間が他に比べて長いですし、留年も入れると最大で6年間ありますが、飛び級制度もあるので、売れている人の中には1年で事務所所属になっている方もいます。
能力さえあれば早くプロになれることは非常に魅力的です。
【ジャンル】声優養成所
【場所】本社は東京(スタジオが全国に17箇所(代々木、お茶の水、立川、町田、池袋、大宮、所沢、柏、千葉、横浜、大阪、難波、天王寺、神戸、京都、名古屋、仙台
【期間】1年~
【費用】
・週1回クラス:入所金:10万円(仙台校は5万円、高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)20万円
・週2回クラス:(お茶の水校/名古屋校/大阪校)入所金:10万円(高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)36万円
・週3回クラス:(代々木校)入所金:10万円(高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)50万円
※料金の詳細は公式サイトから資料請求してご確認ください
【提携プロダクション】 マック・ミック、原オフィス、アトミックモンキー、プロースト!、スリートゥリー、トライストーン等
\資料請求は無料/
インターナショナル・メディア学院
インターナショナル・メディア学院は、堀川りょうさんが学院長をされており、ここ数年右肩上がりで急速に拡大している養成所です。
IAMエージェンシーやアズリードカンパニーを受け皿に持ちます。
あまり声優養成所がない地方にも分校があるので、地方の人にはおすすめで、IAMエージェンシーは、アニメやゲーム、外画や舞台などのお仕事があります。
また、インターナショナル・メディア学院は他の養成所にはない、時代に合った試みを多く取り入れており、今後どう成長していくのかかなり注目の養成所といえます。
【ジャンル】声優養成所
【場所】全国に19箇所(東京、札幌、仙台、八王子、横浜、秋葉原、柏、宇都宮、大宮、新潟、長野、金沢、浜松、名古屋、大阪、高松、岡山、広島、福岡)、海外(ハワイ校/香港校)
※その他、オンライン校が全国にあります
【期間】2年間
【費用】月謝制(入所金:108,000円、月謝:ベーシックコース月謝43,200円 年間518,400円+108,000円=626,400円/アドバンスコース(2年目)月謝54,000円 年間648,000円)
※料金については公式サイトから資料請求してご確認ください
【提携プロダクション】 IAMエージェンシー、アズリードカンパニー
オンライン説明会・LINE相談会も実施中