ナレーションのお仕事をしている職業の人は、声優、アナウンサー、ナレーターで、ナレーターだけを名乗っている人は少ないかもしれません。
では、ナレーターの仕事内容はどんなものなのでしょうか?
ナレーターに向いている人・向いていない人とはどんな人なのでしょうか?
今回は、あまり知られていないナレーターについて、詳しく紹介しましょう。
Contents
ナレーターとは
現在、声優を目指されていてここを読まれている方が多いかもしれません。
声優畑のナレーターのナレーションとアナウンサーのナレーションってやはり違うように感じますよね。
アナウンサーは淡々と事実を伝えることに重点を置いた読みで、それに対して声優畑のナレーターはアナウンサー的な読みももちろんできますが、情感あるナレーションが読める、ナレーションに色を付けることができるのが特徴・強みではないでしょうか?
もちろんケース・バイ・ケースでどちらが良いという問題ではありません。
声優の仕事はいろいろな媒体で紹介されていますが、ナレーターの仕事内容はあまり知られていませんよね。
ナレーターは一体どんな仕事をしているのでしょうか?
ナレーターの仕事内容とは?
ナレーターの仕事内容についてまず説明しましょう。
ナレーションには大きく分けて2種類あります。
・1つが、アナウンサー的な事実を正確に伝えるナレーション。
・もう1つは、情緒豊かであったり個性にあふれたナレーションです。
そして「レギュラー」と呼ばれる、毎週なり、隔週なり、各月なり続けてあるものと、1回きりの「単発」のお仕事があります。
種類は次のとおりです。
・企業用VP
企業の商品やサービスを紹介したり、会社自体を紹介する映像にナレーションをあてます。
社内で使用する研修映像などもあります。
・CM
テレビ・ラジオ・WEBCM・番宣(TV番組の告知)などがあります。ちょっとした芝居交じりのCMも多くあり声優向きのお仕事だと思います。
WEBCMに関しては、現在プロアマ入り混じった状態です。練習などで参考にするときは、テレビやラジオで流れているものにしましょう。
・番組ナレーション
地上波からBS、ケーブルテレビ、WOWOWなどありとあらゆる媒体でのバラエティー・ドキュメンタリー・スポーツ番組etc・・・などのナレーション。
現在はテレビ局のふところ事情もあり、自社のテレビ局のアナウンサーを使うことが増えてきました。(局アナは月給制のため)
・アナウンス
店内アナウンス・場内アナウンス・鉄道や電話の音声ガイダンスなど。クセのない、聞き取りやすい声が求められます。
※他にもお笑いライブなどでの影ナレや、ナレーションに入れていいのか微妙ですがおもちゃの音声、プラネタリウムなどありとあらゆるところにナレーションのお仕事はあります。
ナレーターの仕事の流れ
ナレーションのお仕事は、単発の場合、数日前から前日に決まります。(当日の場合もたまにあります。)
それまではマネージャーがクライアント様に候補として出してくれているので、スケジュールがおさえられている状態で、「この日おさえられていますよ」と何かのついでがあれば教えてくれますし、ついでがなければ知らない状態で、突然「明日何時にどこのスタジオへ行ってください」という電話が入ります。
そして、原稿があればFAXなどで受け取るか事務所に取りに行くか、別のお仕事でマネージャーさんがいらっしゃるときは、持ってきていただけることもあります。
行ったことがないスタジオであれば地図ももらいます。
ナレーションのお仕事はアニメーションのお仕事と違い、真夜中のお仕事もあったり時間は不規則です。
23時スタートもあれば、朝のワイドショー的な番組だと真夜中からなんてこともあります。
電車が走っていない真夜中にお仕事が終わった場合は、タクシー券をくれたり、タクシーに乗ったときにレシートをもらってあとで清算してもらったりします。
収録にかかる時間についてはギャランティーのお話のときに触れさせていただきます。
当日現場に入る時間は人にもよりますし、仕事をはしごしている人は早く行けないこともあるかとは思いますが、何もなければだいたい30分前には行っておくことが望ましいです。
急に電車が止まることもあるかもしれないので30分といわずもっと早めに行ってスタジオ近くのカフェなどでお茶してからゆったりした気分でスタジオに入るという人もいて、これはおすすめです。
30分前に入って何をしているのかというと、原稿があがっていたらもらって原稿チェックをしていたり、原稿がなければほかに同じ事務所の人など一緒に入る人がいればお話ししたりしています。
スタッフさんとお話しできそうな空気ならばスタッフさんとお話しすることもあります。
ちなみに事前に原稿をもらっていた場合も、当日訂正だったり、最終稿をいただくこともあります。
本番は映像があれば映像を1回見せてもらってから本番という感じです。
ラジオCMなどは1回読んでみて本番だったり、いきなり本番だったりします。
原稿をもらって目を通す暇もなくぶっつけ本番なこともありますし、ディレクターさんにいろいろとご指示をいただきながら瞬時にそれを読みに反映させなければならないので、実際の現場をふむというのはどんな練習にも勝ります。
事前に準備している「もの」
ペンなどの筆記用具をのぞいて、事前に準備している「物」は、次のとおりです。
・ストップウォッチ
ラジオCMなどでは秒数内におさめないといけないのでストップウォッチは必需品です。押したときに音の鳴らないものを探しましょう。
・アクセント辞典の入った電子辞書やアクセント辞典
現在18年ぶりに紙媒体のNHKの新しいアクセント辞典が出ています。
これまではアウトだったアクセントがセーフになっていたりしますし、以前にはなかった言葉が出てきています。
また、以前はなくてあればいいのになと思っていた数字や日にちのアクセントが掲載されるようになったのでこれはとてもおすすめです。
電子辞書は携帯に便利ですし、広辞苑やら漢語林などいろいろ入っているので重宝するので持っていたほうがいいですが、やはりこの仕事を目指すのであれば最初の頃は紙媒体でも持っておいた方がいいのかなと思います。
手でめくって調べていくうちに他の語も目に入ってくるという利点もありますし。
ちなみにアクセント辞典が入っている電子辞書はカシオとシャープの電子辞書に限られています。
それに加えて持っているといいのは、アクセントの活用形や法則が載っている本です。一度大きな書店に行ってそういった本を探してみるといいですよ。
ところで、「自分は東京出身東京育ちだからアクセントなんて必要ない」なんてことはありません。
例えば東京の養成所では地方の養成所などに比べてアクセントを、活用形とか法則まで突っ込んでやっていないようですので、自分で勉強するしかありません。
(全国から生徒が集まってくるような専門学校だと時間を割いてきちんとやってくれるとは思います。)
準備している「こと」
原稿が事前にあれば原稿チェックをします。
原稿チェックは、アクセントや漢字などを調べておくことはもちろんですが、切るところを書き込んだり、自分が言いにくいところをチェックしておきます。
(ちなみに言いにくいところやかんでしまうところはそこだけ不自然に聞こえないような読み方でちょっとだけゆっくり読んでみましょう。また、その直前でいったん切るというのもわりと使われているテクニックです。)
V(映像)もあればVチェックもします。
映像ありの場合、だいたい原稿に秒数を書いてくれていますが、書いていない場合、その人のやり方にもよりますが秒数を書き込んだりもします。
自分が原稿がどのような状態になっていれば仕事をするときにスムーズにいくかを何度もやって試してみましょう。
また、時間に追われている現場では必要最低限のことしかできないので、最低限だけの書き込みでもOKなように、最低限書くならどれかなと考えておくのもよいでしょう。
ナレーターが仕事で気を付けていること
ナレーターは、どんな原稿でも、「この原稿は何を伝えたいのか」、制作者の意図に注意します。
これは仕事をしていくうちに段々とわかるようになっていきますが、日頃の練習でも常にこれを考えるようにするといいですよ。
ナレーションには、その時代によって流行りの読みがあります。
例えば2000年代はナチュラル読みが流行っていました。そのあと「DJ読み」と私は呼んでいるのですが、そういうものが流行ったりしました。
なので、常からTVなどで、いまはこういうのが多いなぁと気を付けてみておくといいでしょう。
ただ、その流行り読みは、きちんとした読みができた上での話ということは念頭に置いておいてくださいね。
また、「語尾を伸ばさない」こと!
これをやると仕事がなくなります。
若者的な語尾の伸ばし方は論外ですが、語尾が消え入るように伸ばしていくような感じも×です。
文字だと伝わりにくいですが、とにかく語尾は基本的には切ると覚えておきましょう。
それにその方がうまく聞こえますよ。
注意:意識して意図がありそこだけやる分には問題ありません。癖になっている人は注意しましょう。
プロのナレーターの声
プロのナレーターが自裁にどんな事に気をつけて仕事をしているのか、その声を調べてみました。
当然ですが、ナレーターって声がいいだけじゃダメなんですよね。声のいい人って世の中にたくさんいますよね。それプラス、感性とかリズムとか数値で表せないものが必要になってくる。視聴者の好き嫌いもあるだろうし、ディレクターの好みもあるだろうし。そこが逆におもしろいところでもあります。自分の個性で他の人とは違うところを目指すこともできるでしょうしね。
番組の主役はあくまでも画面に出ている人や生き物や情景で、ナレーションは原稿を読む脇役の仕事だから、声で感情をモロにぶつけちゃうとか主張しすぎるというのはちょっとまずいですよね。もっともバラエティや情報系やドキュメンタリーといった番組のジャンルによって、読み方とかテンションの高さは違いますけどね。
例えば、ラジオ番組のナレーションをしていたときのこと。深夜0時から始まって、詩的な文章を読んだりして、静謐な雰囲気を作っていくんですね。聞いてる人もそんなに多くないから「あなたひとりにしゃべりますよ」と目の前にいるひとりの相手に語りかけていくようにしゃべるんです。当然大きい声や過剰な演出は必要ない。
ところがテレビのバラエティ番組の場合、視聴者は何百万人という規模になるし、番組の性質上「さあ、いってみようか〜!!!」などと盛り上げないといけない。となると、視聴者との距離は遠くなりますよね。そこまでいかなくても情報系番組などで「さあ、このあとどうなるでしょうか?」という場合でも、少し距離感が遠くなりますよね。いずれにしても深夜、ひとりに向かって「お元気でいらっしゃいますか?」と語りかけるのとは距離感が全然違うでしょう? その、メディアや番組によって違う視聴者との距離感を大事にしています。
ナレーションをするときには、伝え方に気を配ります。「はっきり伝えたい」というだけではなくて「余韻を持たせて伝えたい」とか、「雰囲気をもたせて伝えたい」とか。それから「どこを伝えたい」のか。まず自分の中で「こう伝えたい」と思うところを考えるわけです。
例えば「バラの甘い香り」という一文があるとすると、「バラの甘い香り!(早口)」なのか「バラの、甘い(強調)香り」なのか「バラ(強調)の、甘い香り」なのか。香りを引き立たせたい場合は「バラの甘い……香り(強調)……」とかね。
だから「何をどう伝えたいのか」がナレーション原稿を読んでいるときの意識ですね。それによって伝えたいものが変わってくるだろうから。
(ナレーター:窪田等さん)
出典:ネット調査
ナレーターに向いている人・向いていない人
どんな仕事にも必ず向き不向きはあるのですが、それはある程度までは努力で補えるかと考えます。
ただ、向いていない人は人の何倍も努力しなければならないということはあります。
そこで、ナレーターに必要なものを説明しましょう。
動体視力が良い
これは慣れの部分もありますが、動体視力は良いにこしたことはないです。
アフレコにも当てはまりますが、アフレコは前日とか早ければ前の週にV(音無しの映像。一昔前からほぼ線画です。)をもらえることが多いですが、ナレーションは当日なことも多いです。
生放送や数時間前に収録があるものは前もってもらえるわけもありません。
ぱっとみて状況を把握し画面の動きやタイムコードについていかなければならないのです。
基礎練習を毎日続けられる人
大御所やベテランですらボイストレーニングに通ったり、先ほどの「CMを読む」ということをやっていたり、仕事がなければ毎日何時間も練習をされています。
現場で日々鍛えられている人がさらに練習をするのですから、まだ目指している段階の人が同じくらい練習をしていても同じ域には永遠にたどり着けません。
口を酸っぱくして言いますが練習しましょう!録音しましょう!それを聴きましょう!それについて考えて再度録音して繰り返しましょう!
努力は裏切りませんし如実に結果に現れますよ。
いろいろなことに興味を持てる人・いろいろな経験がある人
ナレーションはいろいろな題材を扱うのですが、それを知っているかいないか、見たことがあるかないか、体験したことがあるかないかでナレーションの厚みが変わってきますしリアリティーが伴います。
音感がある人・耳が良い人
歌のうまい人はお芝居やナレーションにおけるカンが良いといわれています。
こういう仕事は結局は真似な部分もあり、また、ディレクターさんが「こう読んで」という感じで実際に部分的にニュアンスを伝えてくれることがあるのですが、そういったものを音感があったり耳が良い人は違いがわかりすぐに自分もできます。
ナレーターになりたい人におすすめの声優養成所・スクール
最後にナレーターになりたい人におすすめの声優養成所やスクールを紹介しましょう。
詳細を知りたい方は、こちらの記事を参照してください
アミューズメントメディア総合学院
アミューズメントメディア総合学院は、いろいろと群を抜いています。
まず特徴として設備が大変整っていること。
もう一つは、2年全日制(ほかのコースもあります)にすることにより、事務所に直結して所属できるまでの力を養います。
これにより、卒業してもまた養成所に通わなければならないいわゆる養成所ジプシーにならなくてすむ可能性が高いといえます。
そしてここの最大の魅力ですが、大手事務所に所属できる人数がおそらくほかの専門学校に比べて圧倒的に多いことです。
また、プロユースのスタジオ、声優ライヴができるホールなど充実の設備も整っていて、スキルアップするための環境面も充実しています。
LINEからも無料で資料請求できます
日本ナレーション演技研究所
日ナレで、特筆すべきは、「ナレーターセミナー」というコースがあることです。
ナレーション専門のコースがあるのは大手事務所付属養成所ではあまりありません。
ナレーションを学校や養成所で教えてもらえる機会はありますが、ほかにもダンスや音楽、舞台実習、発声・アクセントなどの基礎練習から演技の基礎などやることがいっぱいで、あらゆる種類(例えばキャラクターナレーションやバラエティー系やら)のナレーションを深く突っ込んで教えてくれるまではできないというのが現状です。
なので、ナレーターを目指す人には本当におすすめです。
週1日3時間なので働きながら、大学に通いながらうけることができます。
またほかの声優のコースと並行して受けることもできます。
\資料請求は無料/
インターナショナルメディア学院
堀川りょうさんが学院長を務め、宮村優子さんが講師をされている学校です。全国各地に学校があるのが魅力です。
特筆すべきは、通学中のデビュー率70%台という異常なまでの高さです。
通常このようなことは考えられません。
これにはこの学校の「生徒をデビューさせるんだ!」というものすごい熱意の表れだと思います。とにかく結果にこだわっていると言えるでしょう。
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