専門学校や養成所を出ても、すぐに声優として働けるわけではありません。
もし、仕事がもらえたとしても、声優として働き続けるためには、成功を手に入れるためには、しっかりとした心構えをもつことが大切です。
今回は、声優としての心構えや演じる上でのポイントについて、実際に声優として働いている人からアドバイスをもらいました。

Contents
そもそも声優とは?
声優として成功するための心構えなどを紹介する前に、そもそも声優とはどんな仕事をするのか簡単に説明しておきましょう。
「声優」を辞書で調べると、「声で演技をする俳優のこと」と出てきます。
アニメや洋画・海外ドラマなどの吹き替えが代表的なものとして挙げられますが、スマホやTVゲームのキャラクターを演じたり、テレビ番組やCM、通販番組、PRビデオなどのナレーションなど、仕事の内容は多岐にわたります。
また、1,990年代半ばあたりから、本業である声優業だけでなく、CDの発売やライブなどの音楽活動、声優専門誌などへのグラビア出演、写真集の発売なども行う「アイドル声優」という位置づけの声優も出てきています。
では、実際に声優として成功するためにはどんな心構えが必要なのでしょうか?
声だけで演じる上でのポイントなども紹介していきましょう。

声優としての心構え
まず、声優としての心構えについてお話しましょう。
プロとしての自覚を持つ
まずは、プロとしての自覚を持つことです。
毎日、「私は声優だ」という意識を持って生活をしましょう。
喉や体調のケアは当然のことですが、声優に不可欠な感性は日々の暮らしの中で培われます。
「自分が声優である」という意識を常に持って五感を研ぎ澄まし、自分の記憶の中に保存するようにしましょう。
そうすることで、本を読んだり、食事をしたり、旅先での経験など、すべての体験・経験が、声優としての糧となります。
声優として仕事をもらって終わり、ではなく、そこからがスタートなのです。

楽しむ事
もうひとつの心構えは、仕事を楽しむことです。
楽しむことができれば、必然的にどんなことも乗り越えることができるでしょう。
そして、現場で色々言われても「じゃあ次はこうしてみよう。」とか「これならどうだろう。」とか考える余裕が生まれるんです。
楽しもうと思う気持ちを持ってから、いつも「すいません、すいません。」って謝るばかりだった自分が、現場で笑えるようになりました。
これは本当に不思議でしたね。
人って気持ちの変化だけでここまで変わる事ができるのかと、ある意味、自信にもつながりました。

体調管理をしっかり行うこと
プロとしては当然のことですが、体調管理をしっかりすることも心構えのひとつです。
声優は基本一人で一役、代役はいません。
自分が体調を崩したら、誰も代わってくれる人はいません。
その上、収録が遅れるなど、他の人に大きな迷惑をかけることになります。
また、さきほどお話した「仕事を楽しむ」という気持ちは、睡眠時間など体の健康状態に大きく左右されます。
疲れてる時とか、前日寝てない時とかは、この楽しい気持ちに持っていくことが困難になるのです。
なので体調管理、睡眠時間などはしっかり管理してください。

演じる上で必要なポイント
次に、演じる上で必要なポイントを紹介しましょう。

仕事の前の「準備」
まず大事なのは「準備」ですね。
例えば初めて自分のキャラクターが登場する日があるとします。こういう場合は現場で色々な指示が出ます。
そのキャラを定着させるキャラ作りを行う為、「こうしてみて」、「ああしてみて」と言われるままに演じ分けをしなければなりません。
この時、キャラクターを自分の中で作りすぎて、キャラを固めてしまうと指示に対応できなくなります。
なので、どのような事を言われても柔軟に対応できるように準備しておく必要性があります。
「音響監督のいう事に応えられるようにするにはどうすればいいのか。」、これを考えれば自ずと準備はできるはずです。

あらかじめキャラクターの性格などを理解しておいた方がいいの?
準備に関することにつながりますが、現場によってはキャラクターの設定・資料を事前にいただける場合があります。
そういった時は資料を見て感じたモノを自分が演じるキャラクターに取り入れてもいいと思います。
また、原作マンガや原作小説があるアニメ作品の場合は、事前に漫画を読んで来てくれと言われる事もあります。
その時は原作の雰囲気を取り入れたキャラクター設定も準備しておく必要があります。
ただし、原作に忠実に演じようなどとは決して思わないようにしてください。キャラを決めるのは演者ではありません。監督です。演者は演じる事に徹底してください。
ある程度、キャラを抑えておくのはいいですが、「このキャラはこうだ!」と固めてはいけません。すべては現場で決めると言う事です。

セリフがない部分で気を付けることは?
アニメにしろ、外画にしろ、セリフではないけど演じなければならないシーンなどがあります。
走って息を切らすとか、溜息とか、舌打ちとか…。
これ、結構難しくて最初は苦戦するかもしれません。
演じる他に瞬発力みたいなものが必要になってくるんですよね。
声の出し方とか喉の使い方で色々音が変わるので、色々な作品を見て、うまいと思う人のマネしてみてください。
マネから入るとうまくできるようになると思います。

大袈裟に演じた方がいいの?
よく後輩などから、「役を演じる時は大袈裟に演じた方がいいのか」と質問されることがあるのですが、これはケースバイケース。
作品やキャラクターの作りによります。というか、ほぼ監督の趣味ですね。
私の場合はテスト(現場収録は大体が一回テストしてからの本番となります。)で一度大袈裟にやってみます。
そして監督に「やりすぎ」と言われたら抑える。「それでいこう」と言われればそのまま大袈裟に。という具合にテストで試して本番を迎える形にしてます。
決めるのは監督ですが、テストでは自分の考えたキャラを推してみるといいでしょう。
そして監督が出した答えに対応していけばOKです。
やらないよりはやったほうが確実に好印象を得られます。

オーデョションなどではどう演じればいいの?
いつも私が思ってる事ですが、オーディションは落ちて当然なんです。
だったら、爪痕残すこと!当たって砕けろ!です。
どう演じるとかではなく、自分の実力をしっかり発揮し、自分の爪痕を残すこと。
ありのままの個性をぶつけて「これが私!」って胸張って帰りましょう。

一番は自分の出し方
声優としての心構えや演じる上でのポイントは、確かに大切です。
でも、一番は自分をどう出すかだと思います。
この業界では、言われたことに忠実に対応することに慣れすぎて、時に受け身になってしまうことが多々あります。
でも、その状態は危険です。そうなってしまうと業界から消えるのは時間の問題。
そうならないためには「自分の出し方」を知る事。自分の個性とは何か、強みとは何かを考え追求する事が重要です。
心構えや演じる上でのポイント同様、「自分の個性の追求」も忘れないようにしてください。
自分の個性なんてわからない、と思うかもしれません。
でも、わからなくていいんです。わかろうとすることも追求です。突き詰めていくと何かが見えてくるものですよ。
プロの声優が語る「プロとしての心構え」とは
実際に、プロの声優として活動している方がどんな心構えで仕事に取り組んでいるのか、後輩へのアドバイスなどを調べてみました。
(前略)今日から「俺は声優だ」「私は声優だ」というイメージをもって生活してください。
感性はその人の努力によって、差こそあれ、育て、育むことができるものです。たとえば田中さんだったら「私は俳優・田中だ」と意識して、エレベーターのボタンを押す、飯を食う。俳優であるということの意識を常にもち続けることなのです。
こうした意識のアンテナを張ることで、日常生活のなかで体験したことや小説を読んで感じたことを、人間のもつ五感にしっかりと記憶させること。これを「五感の記憶」といい、「役者の引き出し」になるのです。
俳優を志す者にとっては日常生活で見る・聞くすべてが修行と考えてください。将来あなたがその「引き出し」から演じるとき、それはあなたしかもっていない個性に生まれ変わっているでしょう。(後略)
(柴田秀勝さんインタビューより)
声優に憧れて、声優になろうとする人が多いのは大歓迎。だけど、「声優になる」っていう言葉の意味は、「声優デビュー」じゃなくて、「声優の仕事を続けること」じゃないかなあ。声優デビューはスタート地点。そう思っていると、養成所で学ぶ姿勢も違ってくるでしょう。声優になると、日々いろんな仕事と出合う。そのとき、いかに「向上心」をもって取り組み続けることができるか。志は高くもって、ぜひ僕らの仲間になってくださいね!(山寺宏一さんへのインタビューより)
出典:ネット調査

おすすめの声優養成所・スクール
最後に、声優になるためにおすすめの養成所・スクールを紹介しましょう。
総合学園ヒューマンアカデミー
ヒューマンアカデミーは専門分野を学び就職・デビューを目指す学校です。
その特徴は、プロダクションとの連携に力を入れていることで、プロダクションの代表や現役声優を講師に招くだけでなく、希望する学生全員がオーディションに参加することが可能です。
その回数は350回以上。1年間にほぼ毎日オーディションチャンスがある学校は他にないでしょう。
ただ、難点は学費の高さで、全日制は、1年間で100万円以上かかります。
学費ローンを組むことができますが、自力での返済はかなり厳しい額といえますが、それだけの価値があるという口コミが多いです。
【ジャンル】声優スクール
【場所】全国に16箇所(札幌、仙台、柏校、大宮、新宿、横浜、静岡、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、北九州、福岡、鹿児島、那覇)
【期間: 声優専攻2年間
【費用】 約105万円 (※入学金、1年次学費の合計。別途、施設・教材・実習・諸費用が必要)
※料金については公式サイトから資料請求してご確認ください
【提携プロダクション】 マック・ミック、原オフィス、アトミックモンキー、プロースト!、スリートゥリー、トライストーン等
\資料請求は無料/
日本ナレーション演技研究所(日ナレ)
「日ナレ」はアイムエンタープライズなどが受け皿となっているので、自信をもっておすすめできる養成所です。
6つのプロダクションにはそれぞれ個性がありますが、メインのアイムエンタープライズや、最近力を持ってきたヴィムスなどで考えると、アイドル声優になりたい人や個性の強い人、マルチに活躍したい人向きだと言えます。
気になる点は、所属オーディションがかなり難関であることで、おそらく他の養成所の比ではないと思います。
日ナレは養成期間が他に比べて長いですし、留年も入れると最大で6年間ありますが、飛び級制度もあるので、売れている人の中には1年で事務所所属になっている方もいます。
能力さえあれば早くプロになれることは非常に魅力的です。
【ジャンル】声優養成所
【場所】本社は東京(スタジオが全国に17箇所(代々木、お茶の水、立川、町田、池袋、大宮、所沢、柏、千葉、横浜、大阪、難波、天王寺、神戸、京都、名古屋、仙台
【期間】1年~
【費用】
・週1回クラス:入所金:10万円(仙台校は5万円、高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)20万円
・週2回クラス:(お茶の水校/名古屋校/大阪校)入所金:10万円(高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)36万円
・週3回クラス:(代々木校)入所金:10万円(高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)50万円
※料金の詳細は公式サイトから資料請求してご確認ください
【提携プロダクション】 マック・ミック、原オフィス、アトミックモンキー、プロースト!、スリートゥリー、トライストーン等
\資料請求は無料/
アミューズメントメディア総合学院
アミューズメントメディア総合学院の魅力は、声優事務所のオーディションを75社も受けられることです。
また、レッスンスタジオのほかに、「AMGスタジオ」というアフレコスタジオや、小さな収録ブースを備えていて、生徒さんなら申し込めば放課後などに使用させてもらうこともできます。
プロ仕様の機材を使用できるなんて、なかなかないことですから、恵まれた環境といえるでしょう。
ただ、学費はかなり高いので、保護者との相談も必須でしょう。
【ジャンル】専門学校
【場所】東京都渋谷区
【期間】本科/全日2年
【費用】声優学科 初年度 入学金:10万円/授業費:88万円/施設設備費:20万円/演習実習費:10万円 合計128万円
※料金については公式サイトから資料請求してご確認ください
【提携プロダクション】 専門学校のため、提携プロダクション自体はありませが、複数のプロダクションのオーディションが受けられます。
LINEからも無料で資料請求できます