声優になるためには、声優のお仕事をたくさん持っている事務所・プロダクションに所属するのが近道です。
事務所・プロダクション選びをしっかりしないと、後で後悔することになります。
そこで、今回はプロダクション・事務所について詳しく紹介しましょう。
Contents
プロダクション・事務所選びのポイント
事務所・プロダクションを選ぶときは
- ちゃんと定期的に仕事がある事務所なのか
- 自分のやりたい仕事の分野に強いか
など、上記2点は所属する前にきちんと見極めましょう。
このページでは、声優業界で名前の知られている有名事務所を紹介します。
(※この記事を作成するうえで、実際に現役声優さんにお話を聞きました。)
知名度が高いところは競争率もかなりのものです。
しかし、所属できればプロになった後に仕事の数や質がかなり違います。
わかる範囲で、各事務所がどの分野に強いのかという点も紹介。
声優さんだからこそ知っている情報もありますので、ぜひ事務所選びの参考にしてみてくださいね。
81プロデュース(エイティワンプロデュース)
1981年に「ぷろだくしょんバオバブ」から独立して設立された大手事務所で、所属声優が大変多いです。
81プロデュースは「HALF・H・Pスタジオ」を持ち、自分の事務所で音声制作も行っているため、アニメのお仕事も多数あります。
ナレーション、アニメ、洋画、ゲーム、CM、ボイスオーバーなどバラエティー豊かな仕事があり、NHK番組(ボイスオーバー)などでもキャスティング協力をよく行っています。
バラエティー豊かに、かつ多くのお仕事がありますし、声優を志している方なら目指したい事務所のひとつです。
「81オーディション」と呼ばれるオーディションを行なっているのも特徴。
2,000人規模の応募があり、ものすごい倍率ですが合格するとプロになることはほぼ約束されたようなものです。
「81プロデュース」に所属するための養成所・専門学校・オーディション
- 81ACTOR’S STUDIO
- アミューズメントメディア総合学院(外部リンク)
- 東京アナウンス・声優アカデミー(外部リンク)
- 81オーディション(外部リンク)
青二プロダクション
1969年に「俳協」から独立してできた事務所です。
当初、青山二丁目に事務所を構えたことから青二プロダクションと名づけられました。
所属声優、スタッフともに多く、業界最大手と言われている老舗事務所です。
キャスティング協力もよく行っていて、アニメ、ゲーム、洋画、ナレーション、CMなどなどお仕事の幅や数も豊富。
「このジャンルが強い」というよりは、「どのジャンルにも強い」です。
「テレビで青二プロダクション所属声優の声を聞かない日はない」と言われているほどテレビのお仕事も多いですし、企業VP(ビデオパッケージ)など表に出ないところでのお仕事もあります。
企業VP(ビデオパッケージ)とは?
企業の紹介映像や、商品の紹介映像のこと。
預かり所属の期間は約2~3年と決まっており、一部の事務所のように長期間、預かり所属のままということはありません。
以前ほどではないですが東映アニメーションとの結びつきも深く、キャスティング協力を行っていたり、自社で企画制作部門もあり、新人でもガヤや端役などで出演しやすいと思います。
青二プロダクションの特色
ココがポイント
- 日頃から事務所に通い、マネージャーにデモテープを聴いてもらうことが重要
青二プロの特徴として、マネージャーとコミュニケーションを取って自分をアピールする習慣があります。
- キャスティングの時に自分を思い出してもらうため
- 自分のことを知ってもらうため
というのが目的です。
余程ずば抜けた才能がない限り、どんどんアピールをしていかないと仕事をもらえなくなってしまいます。
自分の努力次第でチャンスをつかみとれる点はメリットでもありますが、コミュニケーションをとるのが苦手な方にとってはデメリットにもなり得るのです。
所属声優が多い事務所でも、81プロデュースでは「自らアピールする」ような事はありません。
特に用事がなければ、わざわざ事務所には行かないです。
これもまたメリットでもあり、デメリットでもありますね。
メリットは、わずらわしい自己アピールをしなくていいこと。
デメリットは、存在を忘れられてしまうと挽回のチャンスがないということです。
「青二プロダクション」に所属するための養成所・専門学校
- 青二塾
- アミューズメントメディア総合学院(外部リンク)
アーツビジョン
1984年に俳協から独立して設立された事務所です。
関連会社としてアイムエンタープライズがあります。
主にアニメのお仕事に強いイメージがありますが、ナレーションのお仕事もあるようです。
アイムエンタープライズもそうですが、タレント性の高い声優さんが多いイメージがあります。
日本ナレーション演技研究所(日ナレ)から「アーツビジョン」に所属することができます。
日ナレは養成所の中でも比較的入りやすい養成所で、たくさん生徒を受け入れている分、事務所に所属できる倍率は高いです。
「アーツビジョン」に所属するための養成所・専門学校
アイムエンタープライズ
1997年に設立されたアーツビジョン系列の事務所です。
アニメのお仕事が多く、アイドル声優的な方が多いイメージもあります。
「アイムエンタープライズ」に所属するための養成所・専門学校
俳協
俳協は、所属者が320名の大手事務所です。
俳協からスタッフが独立して多くの声優事務所が生まれたこともあり、いわゆる声優事務所の元祖といったところ。
- 俳協 ⇒ 青二プロダクション、マウスプロモーション、アーツビジョン
- 青二プロダクション ⇒ ぷろだくしょんバオバブ ⇒ 81プロデュース
というような図式です。
アニメのお仕事で見かけるような方はそんなに多くはないのかもしれません。
実力派の声優が多く、見えないところで数多くのお仕事をしていて抜群の安定感のある事務所です。
劇場を所有していて、「劇団俳協」という劇団もあります。
声優・ナレーターを目指す養成所「俳協ボイス」の他に、演劇を学ぶ養成所「俳協演劇研究所」という養成所も有り。
「俳協」に所属するための養成所・専門学校
マウスプロモーション
1974年に俳協から枝分かれしてできた事務所です。
元「江崎プロダクション」。
スタジオを所有して制作も行っているため、所属者は自社作品に出演しやすいです。
マウスプロモーションはアニメのお仕事もありますが、特に洋画が強いことで有名。
洋画のお仕事がしたい人にも向いています。
所属するためには、マウスプロモーション付属の養成所に入所する必要があるのですが、まったくの初心者は入所できません。
応募資格は1年以上の経験者のみです。
「マウスプロモーション」に所属するための養成所・専門学校
ぷろだくしょんバオバブ
1979年に青二プロダクションから独立してできた事務所です。
1984年にオフィス央を事実上吸収合併。
声優事務所ではよくあることですが、途中でごっそり所属声優が抜けることもありました。
「a Springスタジオ」という制作スタジオを所有しています。
大手事務所に比べるとキャスティング協力をすることが少ないですが、仕事もオーディションもちゃんとある事務所です。
「ぷろだくしょんバオバブ」に所属するための養成所・専門学校
- B・A・O(外部リンク)
賢プロダクション
声優の内海賢二さんが1984年に設立した事務所で、奥様の野村道子さん(同じく声優)と一緒に経営されていました。
現在は、ご子息が経営。
洋画からアニメまで幅広くお仕事があり、実力のある人が多いです。
養成所のスクールデュオは実力主義で、上に上がることがとても難しいことでも有名。
「賢プロダクション」に所属するための養成所・専門学校
- スクールデュオ
シグマ・セブン
1988年に俳協から独立してできた事務所です。
水樹奈々さんが所属する事務所なので、歌やアニメに強いイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、どちらかというとナレーションのお仕事が多い事務所です。
むしろ「ナレーションといえばシグマ・セブン」と言えるくらいです。
もちろんアニメなどのお仕事もありますが、ナレーションが圧倒的に強く、ナレーターになりたい人にもおすすめの事務所と言えます。
堅実で安定感のある声優が多い印象です。
「シグマ・セブン」に所属するための養成所・専門学校
プロ・フィット
元アイムエンタープライズのマネージャーが2003年に設立した事務所です。
新しめの小さな事務所ですが、将来有望と言えます。
アニメやゲームのお仕事がメインといえるかもしれません。
養成所と同じ建物にスタジオを所有していて、グループ会社で音響制作なども行っております。
「プロ・フィット」に所属するための養成所・専門学校
- プロ・フィット声優養成所(外部リンク)
- アミューズメントメディア総合学院(外部リンク)
ケンユウオフィス
2002年に声優の堀内賢雄さんが、ぷろだくしょんバオバブから独立して設立しました。
規模は小さめで、比較的新しい事務所です。
仕事数は人によりますが、大手事務所に比べると全体的に仕事が少ない状態と思っておいたほうが良いかもしれません。
「ケンユウオフィス」に所属するための養成所・専門学校
- talk back(東京・大阪)
大沢事務所
1984年に俳協のマネージャーが作った事務所です。
なんと表現すればよいのかわかりませんが、事務所のイメージはとても堅実。
がっつりどの分野が強いというわけではなく、全体的にどんな仕事でもあるという感じです。
マルチに実力のある人が多く、安定感のある事務所と言えます。
「大沢事務所」に所属するための養成所・専門学校
- なし
養成所はないのですが、研究生を募集しているときに応募する方法があります。
たいていは、ほかの事務所などでお仕事の経験があったような人が所属しています。
アクロスエンタテインメント
2008年に元俳協のマネージャーが山寺宏一さんを連れて独立した事務所です。
スタッフも元俳協さんが多め。
青二プロダクションからアクロスエンタテインメントに移籍した金田朋子さんのように、声優という枠にとらわれずタレントとしても活躍の場がある事務所です。
どこの事務所もそうかもしれませんが、もともと別の事務所でお仕事をしていたような方が多く移籍しています。
「アクロスエンタテインメント」に所属するための養成所・専門学校
アクセルワン
声優の森川智之さんが、2011年に設立した事務所です。
ぷろだくしょんバオバブの部分でも、所属者がごっそり抜けたことに触れましたが、その時に抜けた人の多くがアクセルワンに流れました。
事務所には内部分裂というものはよくあることです。
「アクセルワン」に所属するための養成所・専門学校
ケッケコーポレーション
1996年に青二プロダクションの声優・難波圭一さんが、奥さんの荘真由美さんと設立された事務所です。
どちらかと言えば、アニメのお仕事に強いイメージがあります。
「ケッケコーポレーション」に所属するための養成所・専門学校
- ケッケコーポレーション付属養成所
アクセント
1987年に設立された事務所です。
ナレーションに強い事務所ですが、アニメのお仕事をしている方もたくさんいます。
仕事量が豊富とは言いきれませんが、人によってはコンスタントに仕事をしているという感じです。
「アクセント」に所属するための養成所・専門学校
- アクセント付属養成所 シャイン(外部リンク)
ゆーりんプロ
1988年、声優のよこざわけい子さんが個人事務所・横沢啓子オフィスとして設立した事務所です。
わりと名前は知られているのですが、小さな事務所であまりお仕事があるイメージはうけません。
ただ、アニメやナレーションのお仕事をされている人もいらっしゃいます。
入所すればチャンスはありますが、仕事量は少ないと覚悟しておいたほうがよいでしょう。
よこざわけい子さんは、一度は声を聞いたことがあるような大ベテラン声優さんです。
実力・経験ともに豊富ですし、「よこざわけい子さんのもとで学びたい!」ということであれば、スクールに通ってみるのもありかと思います。
「ユーリンプロ」に所属するための養成所・専門学校
- よこざわけい子 声優・ナレータースクール(外部リンク)
- アミューズメントメディア総合学院(外部リンク)
プロダクション・エース
1993年に株式会社アミューズメントメディア総合学院の子会社、「株式会社トライアルプロダクション」として設立。
2008年に、株式会社角川プロダクションと株式会社アミューズメントメディア総合学院との合弁会社となり、株式会社プロダクション・エースに改名されました。
どちらかというと無名に近い事務所ですが、そこそこの仕事数はあります。
言い方は悪いかもしれませんが、「ほかに行くところがなければここ」という感じです。
「絶対にこの事務所を目指す!」とは違います。
「プロダクション・エース」に所属するための養成所・専門学校
- プロダクション・エース演技研究所
オフィス薫(オフィスかおる)
「オフィス薫」は1992年に声優の村松 康雄さんが同人舎プロダクションから独立して設立した事務所です。
現在はあまりお仕事があるイメージをうけませんが、名前の知られた事務所ではあります。
「オフィス薫」に所属するための養成所・専門学校
声優を目指すなら知っておきたい有名事務所・プロダクション まとめ
このページで紹介した事務所・プロダクションは、業界では名前を知られているような声優事務所だけです。
ほかにも声優事務所はたくさんあります。
(もちろん日々事務所は増え続けていきますので、今後もっとすごい事務所が出てくる可能性はおおいにあります。)
気づいた方も多いと思いますが、現在仕事のある声優事務所は、ほぼどこかの事務所から独立して立ち上げた事務所ばかりです。
(もちろんその中にも立ち上げてつぶれてしまう事務所もあるわけですが…)
今はネット社会になったので、声の仕事やマネージメント経験のない素人ばかりで事務所を立ち上げて、声優事務所を名乗っているところも星の数ほどあります。
そういった事務所はクライアントの伝手もノウハウもないので、つぶれてしまうのも時間の問題です。
声優になりたい気持ちが強すぎて「所属できるなら、どんな事務所でも良い」と妥協してしまうと大変なことになります。
事務所を選ぶ際は、信頼できて実績のある事務所をしっかり選びましょう。
おすすめの声優養成所・スクール
事務所やプロダクションに所属するには、しっかりと実力をつける必要があります。
そこで、当サイトでおすすめの声優養成所・スクールを紹介しましょう。
日本ナレーション演技研究所(日ナレ)
「日ナレ」はアイムエンタープライズなどが受け皿となっているので、自信をもっておすすめできる養成所です。
6つのプロダクションにはそれぞれ個性がありますが、メインのアイムエンタープライズや、最近力を持ってきたヴィムスなどで考えると、アイドル声優になりたい人や個性の強い人、マルチに活躍したい人向きだと言えます。
気になる点は、所属オーディションがかなり難関であることで、おそらく他の養成所の比ではないと思います。
日ナレは養成期間が他に比べて長いですし、留年も入れると最大で6年間ありますが、飛び級制度もあるので、売れている人の中には1年で事務所所属になっている方もいます。
能力さえあれば早くプロになれることは非常に魅力的です。
【ジャンル】声優養成所
【場所】本社は東京(スタジオが全国に17箇所(代々木、お茶の水、立川、町田、池袋、大宮、所沢、柏、千葉、横浜、大阪、難波、天王寺、神戸、京都、名古屋、仙台
【期間】1年~
【費用】
・週1回クラス:入所金:10万円(仙台校は5万円、高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)20万円
・週2回クラス:(お茶の水校/名古屋校/大阪校)入所金:10万円(高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)36万円
・週3回クラス:(代々木校)入所金:10万円(高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)50万円
※料金の詳細は公式サイトから資料請求してご確認ください
【提携プロダクション】 マック・ミック、原オフィス、アトミックモンキー、プロースト!、スリートゥリー、トライストーン等
\資料請求は無料/
総合学園ヒューマンアカデミー
ヒューマンアカデミーは専門分野を学び就職・デビューを目指す学校です。
その特徴は、プロダクションとの連携に力を入れていることで、プロダクションの代表や現役声優を講師に招くだけでなく、希望する学生全員がオーディションに参加することが可能です。
その回数は350回以上。1年間にほぼ毎日オーディションチャンスがある学校は他にないでしょう。
ただ、難点は学費の高さで、全日制は、1年間で100万円以上かかります。
学費ローンを組むことができますが、自力での返済はかなり厳しい額といえますが、それだけの価値があるという口コミが多いです。
【ジャンル】声優スクール
【場所】全国に16箇所(札幌、仙台、柏校、大宮、新宿、横浜、静岡、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、北九州、福岡、鹿児島、那覇)
【期間: 声優専攻2年間
【費用】 約105万円 (※入学金、1年次学費の合計。別途、施設・教材・実習・諸費用が必要)
※料金については公式サイトから資料請求してご確認ください
【提携プロダクション】 マック・ミック、原オフィス、アトミックモンキー、プロースト!、スリートゥリー、トライストーン等
\資料請求は無料/
アミューズメントメディア総合学院
アミューズメントメディア総合学院の魅力は、声優事務所のオーディションを75社も受けられることです。
また、レッスンスタジオのほかに、「AMGスタジオ」というアフレコスタジオや、小さな収録ブースを備えていて、生徒さんなら申し込めば放課後などに使用させてもらうこともできます。
プロ仕様の機材を使用できるなんて、なかなかないことですから、恵まれた環境といえるでしょう。
ただ、学費はかなり高いので、保護者との相談も必須でしょう。
【ジャンル】専門学校
【場所】東京都渋谷区
【期間】本科/全日2年
【費用】声優学科 初年度 入学金:10万円/授業費:88万円/施設設備費:20万円/演習実習費:10万円 合計128万円
※料金については公式サイトから資料請求してご確認ください
【提携プロダクション】 専門学校のため、提携プロダクション自体はありませが、複数のプロダクションのオーディションが受けられます。
LINEからも無料で資料請求できます