「声優を目指しながらアルバイトをするなら、どんな仕事がおすすめ?」
下積み時代はアルバイトで生計を立てながら、声優を目指す方がほとんどです。
貴重な時間を使うわけですから、
- 短時間でできるだけ稼ぎたい
- 声優のお仕事に役立つことを経験したい
と思うのは当然のこと。
養成所に通っている間はもちろんですが、声優一本で食べていけるようになるまで、かなりの人が声優になった後もアルバイトを続けています。
このページでは、声優を目指している方におすすめのアルバイトや避けた方がいいアルバイトをまとめました。
アルバイト選びのポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
Contents
アルバイトを選ぶ時のポイント
声優を目指している人がアルバイトを選ぶ際のポイントは、主に4点。
- 声を使う仕事かどうか
- 接客業などの人間観察ができるような仕事
- いろいろな経験を積める
- アルバイトを通して、声優になるために役立つことが学べるか
結構な時間をアルバイトに費やすわけですから、そのぶん練習時間も減ってしまいます。
ですので、アルバイトを通して「声優になるために役立つこと」が学べるならベストです。
ちなみに、「声優になる前」と「声優になった後」では、アルバイトを選ぶポイントが少し異なります。
声優になる前(養成所・学校に通っている方)は仕事内容で選ぶ
声優になる前の人や、在学中の方(在学中でも仕事がもらえる方は除く)は、どれだけ自分にプラスになるかでアルバイトを選びましょう。
声優の仕事をもらえる機会がほとんどないなら、時間・シフトに融通がきくアルバイトを優先する必要はありません。
もちろん、やってみたかったアルバイトを今のうちにするというのでも良いですし、飲食店で弾き語りのアルバイトや、アミューズメントパークでナビゲーター的な職をするなど、ちょっと変わった仕事をしてみるのも良いです。
とにかくいろいろなことをして、いろいろな人の中に入り、たくさんの経験をしてみてください。
それが必ず芝居に活きてきます。
声優のお仕事がもらえる方はシフトに融通がきくアルバイトを選ぶ
事務所の預かりになるなどして、声優のお仕事がもらえる状況になってきたら今度は、「休めるアルバイトかどうか」「シフトに融通がきくアルバイトかどうか」が非常に重要です。
声優のお仕事のほとんどは、直前に入ってきます。
ですので、すでにシフトが出た後で休まなければならないということは日常茶飯事。
事務所の預かりになって、アルバイト選びに苦悩する人は結構多いです。
1年に2~3回しか仕事がこないような事務所ならそこまで気にする必要はありませんが、そこそこ頻繁に仕事が入ってくるけれど声優として食べていけるほどではない状態の人が一番大変です。
アルバイトを毎月のように何回も休むと、休んだあなたの分を他の誰かが穴埋めしなければならなくなります。
申し訳ない気持ちや居心地の悪さもあり、同じ職場で働きにくくなってしまう場合がほとんど。
それを理由にアルバイトを転々とされる方もいらっしゃいます。
預かり所属の方のアルバイト選びにおいては、休みやすいかどうかは大変重要なのです。
預かりになってから、シフトの融通が利くアルバイトを見つけるのは難しいので、養成所に通っている段階からそういうアルバイトを見つけておくのもおすすめです。
シフトに穴を開けずに長い期間働いていれば、職場の同僚や先輩・後輩とも信頼関係が築けます。
あらかじめ職場の人たちと仲良くなっておくことで、いざ声優になったときに応援してもらえる環境を作ることができます。
長年働いてくれている方が辞めてしまうと、職場にとっても損失が大きいので、ある程度シフトのわがままは利いてくれることが多いです。
養成所時代からそういう環境をコツコツと作っておくことで、預かりになってから慌てなくてすみますし、心配事がひとつ減りますね。
声優志望者におすすめのアルバイト8選
声優を目指す方や、声優としての仕事がちらほら入ってくるようになった方におすすめのアルバイトを8つご紹介します。
コールセンター
声優がやっているアルバイトで、圧倒的に多いのがコールセンターです。
コールセンターが声優に人気なのは
- とにかく休みやすい
- 比較的、時給が高い
- 声を使うのでトレーニングにもなる
といったことが主な理由です。
休みやすいと言っても、会社によってはそこまで融通が利かないところもあります。
その場合は、休みやすい会社を探すために、いくつかコールセンターのアルバイトを渡り歩くことになるかもしれません。
おすすめなのは、同業者(声優)のお友達に紹介してもらうことです。
「既に声優仲間が働いている=休みやすい会社」ということなので、長く続けられる可能性が高いです。
ファストフード店
声優志望者のアルバイトとして、ファストフード店もおすすめです。
理由としては、
- 比較的、休みやすい
- 接客業なので人と話したり、声を出すトレーニングになる
- 嫌なお客さんが少ない
- 作業内容によっては、のどを休めることもできる
という感じですね。
お客様もそれほど厳しくないことがおすすめポイントです。
コールセンターのようにひたすら声を使っていると、人によっては喉に負担がかかることもあります。
ファーストフード店では、注文カウンター業務の他にも仕込みをしたり、裏で作業をしたり、掃除をしたり、声を使う仕事以外にも作業がたくさんあるので喉を休められます。
人間観察というほどでもないですが、いろいろなお客様と接することもいつか役に立ちます(役を演じるうえで)。
結婚式やヒーローショーなどの司会(MC)
MCは臨機応変なトーク力も身に付きますし、声優になってからMCのお仕事をする機会もあります。
ただ絶対に休むことはできない仕事なので、その点だけ気をつけましょう。
どちらかというと、声優としての仕事がまだない方におすすめのお仕事です。
ピアノの弾き語り
ピアノの弾き語りは時給も良いですし、声優業に役立ちます。
レストランなどでたまに募集しているのを見かけますが、求人自体が少ないので、実際に働けるかどうかは運かもしれませんね。
当然、休むことは難しいので、声優を目指している(養成所などに通っている)段階の人におすすめです。
居酒屋
声優を目指しながら、居酒屋さんで働いている方も多いです。
シフトの融通が利くかはお店によってピンキリですが、シフト変更に柔軟に対応してくれるところも意外とあります。
お友達と同じお店で働いて、どちらかにお仕事が入ったときはシフトを交代しあうという方もいました。
ただ、居酒屋ではお酒を飲んだお客様がほとんどです。
なかには店員にからんでくるお客様や、気分が悪くなって吐いてしまうお客様もいるので、そういう対応が苦手な方は避けた方が無難ですね。
販売
販売業は、声を使う、人間観察ができるという点でおすすめしたいお仕事のひとつです。
お客様によって要望も違うので、臨機応変な対応力を身に着けることもできます。
ただ、シフトの自由度が低いことや、急に休むことが難しいお仕事なので、声優としてのお仕事をまだもらっていない方向けですね。
参考
インタビュー記事で見かけたのですが、声優の梶裕貴さんも昔は販売のアルバイトなどいろいろ経験されていたみたいですね。
早朝の時間帯の仕事
朝は声優の仕事が入ってこないことが多いので、早朝の時間帯にアルバイトをする方もいます。
ただし、遅くまで仕事をした後に早朝のアルバイトのシフトが入っている場合は結構きついです。
声優業界は急ぎの仕事が多く、夜中も普通にお仕事があったりします。
夜の仕事がてっぺんを超えて朝になり、始発が走る時間にお仕事終了ということもあるので、その点は覚えておきましょう。
単発のお仕事(派遣など)
シフトを気にしなくていいという点では、単発の仕事や登録型派遣のお仕事があります。
シフトがない分、自由度が高いですが、いざ稼ぎたいときにシフトに入れないという可能性も考えられるので要注意です。
単発のお仕事では職種も様々で、軽作業や商品カウント、開店前の清掃、スーパーのレジ打ちなど色々あります。
声優志望者は避けた方が良いアルバイト
声優という仕事は「なにをやっても無駄なことはない」と言われている職業です。
しかし、できれば避けた方が良い(違う職種を選んだ方が良い)アルバイトもあります。
黙々と同じことをしているだけの事務作業・軽作業
事務作業・軽作業のように誰とも話さず、ルーティーンのように同じ作業を繰り返すお仕事は、できれば避けましょう。
接客業が苦手な方は、こういう誰とも話さなくて済む仕事を選びがちですが、声優としてプラスになることは少ないです。
実際に「黙々と作業をする人の役」を演じる場合は、役に立ちます。
しかし、役を演じるためだけなら長期間続ける必要はありません。
事務作業・軽作業は時給が安いことがほとんど。
「いかに短い拘束時間で、お金を稼げるか」は、練習時間の確保にもつながってきますので、アルバイトを選ぶうえで重要なポイントとなります。
弱い部分を酷使する仕事
人よりも弱い部位は、アルバイトで酷使しないようにしましょう。
例えば
- 人よりも腰が痛みやすい
- のどが弱い、のどを痛めやすい
など、体に弱点がある方もいます。
腰を使うことに不安がある方は、重い荷物を持つような仕事は避けた方が良いですし、のどが弱い方は大きな声を出さなければならないような接客の仕事は避けた方が無難です。
「声優を目指しているのに喉が弱いなんてダメじゃない?」と思われるかもしれませんが、多少のどが弱くても声優にはなれます。
のどを無理して使って声が出なくなってしまうと、それこそ致命的です。
のどが弱い方は、他の人よりも自分の喉の調子に敏感になり、ケアしてベストな状態を保つことに力をそそぎましょう。
声は消耗品ですので、力技で無理やり出すというのはおすすめしません。
フロアレディ
フロアレディは、いわゆる水商売です。
声優業界では「普段のしぐさで、水商売をしている(またはしていた)ことがすぐにバレてしまうので避けたほうがいい」と言われています。
時給の高さやシフトの自由さはかなり魅力的なのですが、喫煙者のお客様の相手をすることも多く、のどに良い環境とは言えませんね。
知人に聞いたのですが、お店によっては当日欠勤で罰金が発生するようなところもあります(アルバイトなのに罰金はどうなの?と思いますが…)。
先輩たちが経験したアルバイトは?
声優の先輩たちは、どんなアルバイトをしたのでしょうか?
体験談を調べてみました。
すごく素敵な天然石のアクセサリーを売っているお店が都内にあり、そこでアクセサリーをつくっていた方に「うちで働かない?」と言われて、バイトさせてもらうことになりました。実際に石のデザインとかも学ばせてもらったりもして、そのバイトがすごく楽しくて。それが初めてのバイトだったと思います。それとカラオケ店でもアルバイトをしていました。
カラオケ店だったら先生は来ないだろうと思ってやっていましたね。あと喫茶店や和食料理屋さんでも働いたことがあります。
アルバイトをする際に結構誘っていただくことが多かったんです。「うちでやらない?」みたいな話があったりすると、すぐに「是非!」となり、1週間に1回は顔を出すという形でやらせてもらっていたバイトが多かったです。
日本酒を扱うお店では、私の好きな日本酒について学べましたし、喫茶店ではコーヒーの淹れ方も教えていただきました。あとはカラオケ店での経験は、大きい声を出すことに対してあまり抵抗がなくなりましたね。
また働く場所によって、そこで働く方もお客さんも変わってくるので、それが面白かったですね。沢山の方たちとお話しができるので、いろいろな役を演じることが多く、何一つ無駄なことはなかったなと、いましみじみ感じています。
声優の仕事も、いろいろな方に会う機会が多いので、その点においてもアルバイトを通してたくさんの方とお話ができて良かったなと思います。
働いて、常連さんと仲良くなれたり、全く違う立場のお客さまからアドバイスをもらえるのも嬉しかったです。あの時はどういう意味かわからなかったことも、今思うとその通りだったなと思えることが多々あります。
(茅野愛衣さんインタビューより抜粋)
引っ越し業、スーパーの警備員、イベント会場の警備、食品会社の製造ライン、清掃業など、体力仕事の単発バイトがほとんど。この手のバイトは日当制でシフトが組みやすく、お給料も良いので、オーディションを受けることの多い僕の生活にぴったりハマったんですよ。ただし、どの仕事も本当に大変で、今でも当時の苦労は鮮明に覚えています。引っ越し業者では猫を15匹も飼っている家があって、家具の搬入・搬出時に猫が足元に絡んでくるんですよ。荷物を落としそうになるのをこらえたり、猫の毛が舞い上がって、メチャクチャ大変でしたね。
食品会社での作業は冷蔵庫のように冷えきった空間の中で1点を見つめながらの作業ですから、体力だけじゃなく気力までもっていかれてしまう。イベント会場なんて終日立ちっぱなしですし、もちろん暑さ寒さの気候には耐えなくてはいけなくて、終業後はヘロヘロでした。
なかでもいちばんつらかったのは清掃業。ゴミ収集所の清掃という、ちょっと特殊なバイトがあったんですが、ここの臭いが本当にキツくて苦しかった。収集所までは車で移動するんですが、帰りは全員最寄りの銭湯に寄るんですよ。自分では気づかないんですが、収集所の臭いが体全体に染みついちゃって、他の人に迷惑をかけるレベルになっちゃうんです(笑)。
本当はもっと楽に稼げるバイトもあったのかもしれませんが、自分にとって「バイト=生活」と割り切っていたので、手っ取り早く稼げる仕事しか興味がなかったんですよね。そんなバイトばっかり選んでしまったせいか、黙々と作業をしていると、ときにはネガティブな気持ちになって「声優の仕事、諦めようかな……」なんてことも何度もありました。
そんなちょっぴり暗い時代が数年続き、ようやくオーディションが受かるようになって、それでバイト生活に見切りをつけることができたんです。当時はとにかくつらいって気持ちばかりが募っていましたけど、今になって振り返ってみると貴重な体験ができて良かったのかな、と思っています。
(下野紘さんインタビューより抜粋)
出典:ネット調査
声優志望者におすすめのアルバイト【まとめ】
声優という職業を目指すうえでアルバイト選びは本当に大変です。
状況に応じて優先事項を変えて、アルバイトを探すようにしましょう
- 声優の仕事がない人…声優の仕事にプラスになりそうなバイトを優先して選ぶ
- 声優の仕事がある人…シフトの自由度を最優先
もしもの話ですが、声優になれなかった場合のことを考えてスキルを身に着けておくのも、リスク回避としては良いと思います。
アルバイト選びも重要ですが、一番重要なのは「声優の仕事をもらえるようになって、できるだけ早くアルバイトを辞めること」です。
「アルバイトを長く続けること」が目的にならないように気を付けてくださいね。
おすすめの声優養成所・スクール
最後に当サイトでおすすめの声優養成所・スクールを紹介しましょう。
総合学園ヒューマンアカデミー
ヒューマンアカデミーは専門分野を学び就職・デビューを目指す学校です。
その特徴は、プロダクションとの連携に力を入れていることで、プロダクションの代表や現役声優を講師に招くだけでなく、希望する学生全員がオーディションに参加することが可能です。
その回数は350回以上。1年間にほぼ毎日オーディションチャンスがある学校は他にないでしょう。
ただ、難点は学費の高さで、全日制は、1年間で100万円以上かかります。
学費ローンを組むことができますが、自力での返済はかなり厳しい額といえますが、それだけの価値があるという口コミが多いです。
【ジャンル】声優スクール
【場所】全国に16箇所(札幌、仙台、柏校、大宮、新宿、横浜、静岡、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、北九州、福岡、鹿児島、那覇)
【期間: 声優専攻2年間
【費用】 約105万円 (※入学金、1年次学費の合計。別途、施設・教材・実習・諸費用が必要)
※料金については公式サイトから資料請求してご確認ください
【提携プロダクション】 マック・ミック、原オフィス、アトミックモンキー、プロースト!、スリートゥリー、トライストーン等
\資料請求は無料/
日本ナレーション演技研究所(日ナレ)
「日ナレ」はアイムエンタープライズなどが受け皿となっているので、自信をもっておすすめできる養成所です。
6つのプロダクションにはそれぞれ個性がありますが、メインのアイムエンタープライズや、最近力を持ってきたヴィムスなどで考えると、アイドル声優になりたい人や個性の強い人、マルチに活躍したい人向きだと言えます。
気になる点は、所属オーディションがかなり難関であることで、おそらく他の養成所の比ではないと思います。
日ナレは養成期間が他に比べて長いですし、留年も入れると最大で6年間ありますが、飛び級制度もあるので、売れている人の中には1年で事務所所属になっている方もいます。
能力さえあれば早くプロになれることは非常に魅力的です。
【ジャンル】声優養成所
【場所】本社は東京(スタジオが全国に17箇所(代々木、お茶の水、立川、町田、池袋、大宮、所沢、柏、千葉、横浜、大阪、難波、天王寺、神戸、京都、名古屋、仙台
【期間】1年~
【費用】
・週1回クラス:入所金:10万円(仙台校は5万円、高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)20万円
・週2回クラス:(お茶の水校/名古屋校/大阪校)入所金:10万円(高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)36万円
・週3回クラス:(代々木校)入所金:10万円(高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)50万円
※料金の詳細は公式サイトから資料請求してご確認ください
【提携プロダクション】 マック・ミック、原オフィス、アトミックモンキー、プロースト!、スリートゥリー、トライストーン等
\資料請求は無料/
アミューズメントメディア総合学院
アミューズメントメディア総合学院の魅力は、声優事務所のオーディションを75社も受けられることです。
また、レッスンスタジオのほかに、「AMGスタジオ」というアフレコスタジオや、小さな収録ブースを備えていて、生徒さんなら申し込めば放課後などに使用させてもらうこともできます。
プロ仕様の機材を使用できるなんて、なかなかないことですから、恵まれた環境といえるでしょう。
ただ、学費はかなり高いので、保護者との相談も必須でしょう。
【ジャンル】専門学校
【場所】東京都渋谷区
【期間】本科/全日2年
【費用】声優学科 初年度 入学金:10万円/授業費:88万円/施設設備費:20万円/演習実習費:10万円 合計128万円
※料金については公式サイトから資料請求してご確認ください
【提携プロダクション】 専門学校のため、提携プロダクション自体はありませが、複数のプロダクションのオーディションが受けられます。
LINEからも無料で資料請求できます