声優と言う仕事は人気商売の為、収入が不安定な職業であることは、声優を目指している皆様はすでにご存じのことと思います。
ただ実は収入以外にも不安定な部分が声優にはあります。
それがスケジュールです。
活動はしているけど仕事が入って来ないというような開店休業状態な日もあれば、急にバンバン仕事が入って1日24時間では足りないというぐらいに忙しくなる時もあります。
しかも仕事がいつくるのかもわからなければ、今ある仕事がいつなくなるのかもわかりません。さらには土日祝日、お盆もお正月も一切関係ありません。声優のスケジュールは先が見えにくいのです。
そんな声優のスケジュールを管理するのは正直かなり厳しいものがあります。
今回はそんな声優のスケジュールに関してお話したいと思います。
Contents
ある日の声優の1日のスケジュール(アニメ収録メイン)
まずは、男性声優さんの「アニメ収録がある1日のスケジュール」を紹介します。
7:00 | 起床 |
7:00~8:00 | 朝食、収録への準備、持ち物確認 |
8:00~8:30 | スタジオへ移動 |
9:30~9:40 | スタジオに到着、共演者に挨拶 |
10:00~ | 収録開始(一度テストしてから本番) |
13:00~14:00 | 収録終了、次のスタジオへ移動 |
14:00~15:30 | 昼食、別スタジオ到着 |
16:00~ | 収録開始 |
20:00~21:00 | 収録終了 |
21:00~22:00 | 帰る準備をして帰宅 |
1日の流れをざっと記載しましたが、順を追って補足していきますね。
7:00~8:00 起床して家を出る準備
起床してから
- 朝食
- 収録への準備
- 持ち物確認(台本・リハーサル用のDVD・筆記用具)
など、家を出る準備をします。
朝起きてからいつもの自然な声を出すまでには、およそ3時間かかると言われています。
起床時間は収録開始時間から逆算して3時間前がベストです。
前日の就寝時間もそれを考慮しましょう。
普段は朝食をとらない方も多いかもしれませんが、収録は体力勝負、エネルギーの補給は大事です。
声優を目指すなら朝食はとるように心がけましょう。
また、収録は当然のことながらマイク前でセリフを言う役者以外は無言です。
収録中にお腹が鳴ると誰のお腹が鳴ったのかまで詳細にわかります。
自然現象なので責められはしませんが、ちょっと恥ずかしい気持ちになります…
ということで朝食はしっかり食べるようにしましょう。
最後に、忘れ物のないようにしっかり持ち物を確認しましょう。
基本的には台本とリハーサルDVD(要返却)と筆記用具があれば大丈夫です。
8:00~8:30 スタジオへ移動
準備が出来たらいよいよスタジオへ向けて出発です。
収録スタジオは番組によって様々。自分の家から近い所もあれば、遠い所もあるでしょう。
遅刻は絶対に厳禁です。
電車の遅延などは仕方ありませんが、道に迷った、寝坊した、といった理由は責任感が足りない人物とみなされ仕事がなくなる可能性があります。
遅刻しないために、自分の家から収録スタジオまでの道のりや、かかる時間などは事前にしっかり確認しておきましょう。
また、時間ギリギリの出発は忘れ物をしてしまうなどのミスにつながる可能性があります。
焦らず安心してスタジオ入りできるよう、時間に余裕を持って家を出ましょう。
出演者の皆様は、だいたい収録の15~30分前にはスタジオ入りします。
自分は30分前に到着するようなイメージでスタジオに向かいましょう。
声優たるもの挨拶も肝心。
早めにスタジオ入りして共演者の皆様一人一人にしっかり挨拶をします。
10:00~ 収録開始
役者陣、制作陣がそろったら収録開始です。
急ぎだったりトラブルがない限り、一度テストをしてから本番を行うかたちになります。
準備してきた演技をして、自分がどのマイクに入ったのかなどを確認しましょう。
テストが終わると音響監督が確認して、本番へ向けての演技指導もしくは台詞の変更点などを伝えてくれます。
演技の修正、台詞の変更などが入った場合は、音響監督の意図を組みとって演技をするようにしましょう。
13:00~14:00 1本目の収録終了
スケジュールを見てもらうとわかるのですが、アニメ1本の収録に3~4時間かかっています。
みなさんがよく知っている30分アニメは、下記の構成で成り立っています。
- オープニング
- CM
- エンディング
- 予告
- 本編
本編のみの時間は、23分程度です。
この「23分程度」のアニメを収録するには、だいたい3~4時間程度かかります。
よって10時から収録が始まった場合、収録終了は13~14時ぐらいとなります。
14:00~ 2本収録の場合は、同じ流れをもう1セット繰り返す
アニメの収録が1日に2本ある場合、同じような流れをもう1セット繰り返します。
13:00~14:00 収録終了~移動
14:00~15:30 移動~昼食などをとって別のスタジオ到着
16:00~ 収録開始
20:00~21:00 収録終了~
22:00~23:00 帰宅
という感じですね。
1日に2本収録がある場合、読み込む台本も2冊となり、確認するリハーサルDVDも2本となります。
収録までの事前準備が2倍になることも忘れないようにしてください。
実は仕事の前日にもやることがある
スケジュールだけ見れば、
と思うでしょう。
ですが、実はアニメ収録日の前にもやることがあります。
アニメ収録の前日にやることは、台本のピックアップとDVDチェックの2つです。
台本のピックアップ
アニメの収録が決定した場合、その台本を事務所に取りに行く必要があります。
忙しくて事務所に行く時間がないときはマネージャーが現場まで持って来てくれますが、それ以外は自分で事務所に取りに行かなくてはいけません。
仕事のひとつなので、忘れずにスケジュールに組み込んでおきましょう。
DVDチェック(リハーサル)
今の時代は台本と一緒にリハーサル用のDVDが入っています。
台本とDVDをチェックして自分の出番の把握、台詞のタイム合わせなどをします。
台本に書かれていないシーンで自分の役が出ていることもあるので、リハーサル用のDVDは頭から最後までしっかり確認します。
ある日の声優の1日のスケジュール(アニメ&ナレーション)
次は、ナレーターさん(女性声優さん)の1日のスケジュールを紹介します。
6:30 | 起床・朝食・準備・発声など |
8:30 | 家を出る |
9:30 | アフレコスタジオ到着
スタジオでは映像が流れているので軽く合わせている人もいらっしゃれば、周りの人とおしゃべりしたりしている方もいらっしゃいます。みなさん思い思いにされています。 新人の場合は初めて会う方に「○○プロダクションの○○○○です。よろしくお願いいたします。」といいように、このタイミングであいさつをしてまわります。 なので新人の頃は特に早めに行くように心がけましょう。 |
10:00~14:00 | アニメのアフレコのお仕事
たいてい13:00頃までには終わります。 終わったらスタジオの近くのお店で事務所の先輩だったり同じ出演者の方とランチをすることもあります。 夜だと飲み会になることもあります。 |
15:00~16:00 | 事務所に明後日のアニメのアフレコ台本&DVDと、明日の企業VPのナレーション原稿を取りに行く |
16:00~17:00 | 次の仕事まで時間があるのでカラオケボックスへ
声優さんはけっこう一人でカラオケボックスへ練習がてら行く人が多いです。 家に帰るほどの時間はないけれども、時間をつぶすには長いというときに、カラオケボックスなら次の現場の原稿を少し声に出して読んでから、発声練習がてら1人カラオケをするなどもできておすすめですよ。 |
18:30 | スタジオ到着 |
18:00~19:00 | テレビCMのナレーションのお仕事 |
20:00 | 帰宅・夕食・お風呂など |
22:00 | 明日の企業VPのナレーション原稿をチェック
アクセントを調べる必要がある人は調べ、そこの企業のホームページなども時間があれば見ておくとナレーションをするうえでイメージしやすいです。(もちろんそこまでしない人もいらっしゃいます。) また、切るところを書き込んだり、たてたいところを原稿に書き込む人もいらっしゃいます。 Vがある場合は(人によりやり方は違うかもしれませんが)タイムコードもチェックしておきます。 |
22:30 | 自由時間 |
23:30 | 就寝 |
スケジュールが決まるまでの流れ
- 事務所からキープの連絡が来る
- 決定連絡が入ると仕事が確定
基本的にスケジュールの管理は事務所がしてくれる
事務所に所属している場合、基本的には事務所がスケジュールを管理してくれます。
例えば同じ日の同じ時間に現場が入りそうな場合、収録をずらしてもらったり、拘束時間を短くしてもらったり、事務所がクライアントと話し合って決めてくれます。
オファーの全てを管理してくれるため、自分がやり取りする相手は事務所のみとなります。
したがって自分は事務所からの連絡を待つ形となるわけです。
事務所が管理してくれるなら自分は楽・・・と思っている方も多いかもしれませんが、実はこれが意外とそうでもありません。
事務所からキープの連絡がくる
「キープ」というのは「この日に仕事が入る可能性がある」ということです。
つまりこの日は「予定をいれないように」しなければなりません。
またこの「キープ」というのは「何日から何日までキープ」みたいな形で「数日間予定をいれてはいけない」場合が多々あります。
そしてその「数日間のキープのうち現場が入るのは1日だけ」ということもよくあります。そうなった場合はもちろん「他の日は仕事がない日」ということになります。
誠実に仕事すれば「決定連絡」がくるようになる。
始めは「キープ」の連続でスケジュール的にも厳しいですが、これを乗り越えればスケジュールも立てやすくなってきます。
というのも、一つ一つ誠実に仕事をしていくと、いつかクライアントが名指しで仕事をくれるときが来ます。
そのときは自分の役が決まったうえで事務所から連絡が来るので「キープ連絡」ではなく、「決定連絡」になります。
「決定」は必ずその日に仕事があるということです。
この「決定」を一本一本増やしていくことができれば、いつしか必ず「声優」として食べていけるようになります。
「決定」に直結する「クライアントからの指名」をもらえるように一つ一つの仕事をしっかりこなしていきましょう。
声優はスケジュール管理がとても難しい
実は、声優はスケジュール管理がとても難しい職業のひとつです。
その理由は、駆け出しの新人声優は仕事がありませんからアルバイトなどをして生計をたてなければなりません。
でも「キープ」が入ってしまった場合はアルバイトも休まなければならないのです。
例えばレギュラーモノなどの現場のキープで「毎週火曜日レギュラーキープお願いします。」という連絡が事務所から来たとします。
レギュラーは基本的に1クール(3か月)ですからアルバイト先に頭を下げて火曜日を3か月間、丸々休みにしてもらわなくてはなりません。
「仕事にならないかもしれないけど休まなければならない」これがまた結構大変なのです。
しかも、せっかく休みをとった3か月の収録が全部なくなることも普通にあるのです。
アルバイト先に頭を下げて休みにしてもらったのに、今度は火曜日シフトにいれてもらえるように再び頭を下げなくてはなりません。
また逆に「今日これから収録入ったから現場に向かってほしい」というパターンもよくあります。
そんな時もアルバイトを急遽休まなくてはなりません。
当日にアルバイトを休まなくてはならないのは結構大変ですよね。何度もそんなことがあればアルバイトをやめさせられる可能性だってあります。
でも本業は「声優」ですから何よりも「声優業」を優先しなくてはいけません。アルバイトを休めないから本業の「声優業」が出来ないなんてことになっては本末転倒です。
「声優」であるならば、なにがあろうとも本業の「声優」を優先しなくてはいけないのです。
仕事にならないかもしれないけど休まなければならないし、仕事になればなったでなにがあろうとも仕事を優先しなければならない。
つまり「声優」は自分の予定を全く組めないのです。
これこそ声優のスケジュール管理が厳しい理由です。
「売れっ子」のスケジュールは、あってないようなもの
忙しい方、俗にいう「売れっ子」と呼ばれる方は、一日に何本も収録をこなさなくてはなりません。
そういった声優陣の皆様は駆け付けで自分のパートのセリフを収録して、すぐに次の現場へ向かい、そこで収録してまた移動して収録と多忙すぎる毎日を送っています。
しかもその収録の合間にインタビューや雑誌の撮影などの仕事をこなし、夜中や早朝から歌の収録や舞台(イベント)稽古という場合もあります。
そしてまた翌日収録の台本、DVDチェック・・・これはもうスケジュールなんてあってないようなものです。
さらに声がなくならないように喉のケアもしっかりしなければなりません。
そんな怒涛のスケジュールをこなすには相当な体力と技術がなければ身体が追い付いていかないでしょう。
「売れっ子」の皆様の体力と技術は想像を絶します。
【声優の1日のスケジュール・まとめ】
「声優」は1日にしてならず
「売れっ子」と呼ばれる人気声優の皆様の1日のスケジュールは相当に厳しいものがあります。
そして、そういった皆様はそうなるためにそれ相応の努力をしています。
ですが始めは誰だって新人だったはず。一歩一歩コツコツと練習をしてスキルを高めた結果「売れっ子」と呼ばれるようになったのです。
皆様も「声優」になるからには上を目指さなければなんの意味もありません。
先に記したスケジュールのように、まずは「1本」でもいいから「アニメ」なりの仕事の「決定」をもらって、それを「2本3本」と増やしていけるよう今からスキルを身につけていきましょう。
おススメの声優スクールベスト3
このサイトでは、現役声優さんの1日のスケジュールを紹介しましたが、声優への道は、まず養成所やスクールに通うことから始まります。
夢を現実にするためには、自分にあった学校を見つけることが大切!
そこで、最後にオススメの声優スクールを3つ紹介しましょう。
1位:総合学園ヒューマンアカデミー
ヒューマンアカデミーは専門分野を学び就職・デビューを目指す学校です。
その特徴は、プロダクションとの連携に力を入れていることで、プロダクションの代表や現役声優を講師に招くだけでなく、希望する学生全員がオーディションに参加することが可能です。
その回数は350回以上。1年間にほぼ毎日オーディションチャンスがある学校は他にないでしょう。
ただ、難点は学費の高さで、全日制は、1年間で100万円以上かかります。
学費ローンを組むことができますが、自力での返済はかなり厳しい額といえますが、それだけの価値があるという口コミが多いです。
【ジャンル】声優スクール
【場所】全国に16箇所(札幌、仙台、柏校、大宮、新宿、横浜、静岡、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、北九州、福岡、鹿児島、那覇)
【期間: 声優専攻2年間
【費用】 約105万円 (※入学金、1年次学費の合計。別途、施設・教材・実習・諸費用が必要)
※料金については公式サイトから資料請求してご確認ください
【提携プロダクション】 マック・ミック、原オフィス、アトミックモンキー、プロースト!、スリートゥリー、トライストーン等
\資料請求は無料/
2位:日本ナレーション演技研究所(日ナレ)
「日ナレ」はアイムエンタープライズなどが受け皿となっているので、自信をもっておすすめできる養成所です。
6つのプロダクションにはそれぞれ個性がありますが、メインのアイムエンタープライズや、最近力を持ってきたヴィムスなどで考えると、アイドル声優になりたい人や個性の強い人、マルチに活躍したい人向きだと言えます。
気になる点は、所属オーディションがかなり難関であることで、おそらく他の養成所の比ではないと思います。
日ナレは養成期間が他に比べて長いですし、留年も入れると最大で6年間ありますが、飛び級制度もあるので、売れている人の中には1年で事務所所属になっている方もいます。
能力さえあれば早くプロになれることは非常に魅力的です。
【ジャンル】声優養成所
【場所】本社は東京(スタジオが全国に17箇所(代々木、お茶の水、立川、町田、池袋、大宮、所沢、柏、千葉、横浜、大阪、難波、天王寺、神戸、京都、名古屋、仙台
【期間】1年~
【費用】
・週1回クラス:入所金:10万円(仙台校は5万円、高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)20万円
・週2回クラス:(お茶の水校/名古屋校/大阪校)入所金:10万円(高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)36万円
・週3回クラス:(代々木校)入所金:10万円(高校生は5万円)/年間受講料:4月生(4月から翌年3月まで)50万円
※料金の詳細は公式サイトから資料請求してご確認ください
【提携プロダクション】 マック・ミック、原オフィス、アトミックモンキー、プロースト!、スリートゥリー、トライストーン等
\資料請求は無料/
3位:アミューズメントメディア総合学院
アミューズメントメディア総合学院の魅力は、声優事務所のオーディションを75社も受けられることです。
また、レッスンスタジオのほかに、「AMGスタジオ」というアフレコスタジオや、小さな収録ブースを備えていて、生徒さんなら申し込めば放課後などに使用させてもらうこともできます。
プロ仕様の機材を使用できるなんて、なかなかないことですから、恵まれた環境といえるでしょう。
ただ、学費はかなり高いので、保護者との相談も必須でしょう。
【ジャンル】専門学校
【場所】東京都渋谷区
【期間】本科/全日2年
【費用】声優学科 初年度 入学金:10万円/授業費:88万円/施設設備費:20万円/演習実習費:10万円 合計128万円
※料金については公式サイトから資料請求してご確認ください
【提携プロダクション】 専門学校のため、提携プロダクション自体はありませが、複数のプロダクションのオーディションが受けられます。
LINEからも無料で資料請求できます